UXの教科書 第1章:「概要」を読んだ
UX勉強会を主催している人がいいよーって言ってたので購入した本。
- 作者: 安藤昌也
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本
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当時パラっと読んで積んでしまっていたので、この機に読み直して纏めてみたいと思います。
第一章 概要
UXが求められるようになった背景
ユーザーが嬉しいと感じる体験(UX)を目標として、製品・サービスをデザインしていく取り組み・方法論をUXデザインという。
これまで求められていなかったUXが、近年重要視されて来ているのはスマホの普及が背景。
スマホはありとあらゆる場面で使用されるため、それぞれの利用状況に対応した使いやすいサービスを提供する必要が出てきた。
カーナビ等のそれまで使いにくても置き換えることができなかった製品を、スマホで代替する事が可能になった。
スマホの普及が製品やサービスを提供する企業側にUXに意識を払わなければならない、という環境変化をもたらした。
ビジネスとしてのUX
ユーザーは技術・機能を欲するわけではなく、もたらされる結果に関心を持つ。技術は嬉しい体験をもたらすための手段にすぎない。
製品、サービスとコモディティ化から抜け出すためにカスタマイズを繰り返してきた。
今は経験をカスタマイズし、経験価値が重要視される様になっている。
インターネットの普及でレビュー、口コミ等の情報が簡単に手に入るようになった。
以上の情報は 体験前のユーザーが利用体験をイメージする(予期的UX)ために重要な手がかりとなる。
そのため、利用体験後のユーザーの評価を重視する必要があり、よりよく評価されるためのUXデザインは経営課題となってきている。
ユーザーを重視したデザインの歴史
旧来は技術中心のデザイン(設計が楽、使う部品が少ない)で、訓練しないと使えないものが多く、ヒューマンエラーが発生していた。
「普通に使える」ためのデザインを行う取り組みの中で重要なコンセプトが「人間中心デザイン」。
UXも人間中心のデザイン哲学に基づいたものである。
コンピューターの登場でユーザーから近くできないプロセスを操作する、認知的インタフェースが登場し、UXデザインを求められる歴史的原点になった。
UXデザインが目指すもの
- 新しい体験価値を実現する新ビジネス・製品・サービスの開発
- 既存ビジネスに新しい価値を与える新機能・サービスの開発
- 従来型の製品・サービスあるいはビジネスのユーザー体験の質の向上
第1章の感想
技術革新によってUXが重要視される傾向が増えてきているということが主な内容だった。
至極まっとうなことしか書いておらず、よくよく考えると「ふーんそんなの当たり前じゃん?」みたいに思えてくるが、「UXの出来た背景・UXの当たり前がしっかりまとめられている」という書籍はあまり無い気がするので、UXという概念に触れたことがないという人にも薦められる、まさに教科書な書籍。
「ユーザーは技術・機能を欲するわけではなく、もたらされる結果に関心を持つ。技術は嬉しい体験をもたらすための手段にすぎない。」というところはとても共感できる。
昨今VirtualYoutuberの流れが来ているが、あれもFaceRigとかちょっと前からあった技術だし、上手くそれを価値体験としてパッケージ化したものだよなー。
歴史とか大雑把に端折ったり、UXデザインが目指すものの項で実際どのような事例があったかも省略してあるので、もしこれを読んで興味が湧いたのなら、是非お手にとって読んで頂けたらなーと思います。